昨日の朝日新聞の天声人語におもしろい記事が載っていました。
「無闇に烈しい言葉を用いると、言葉が相手の心の内部へ入り込
む前に爆発してしまう。言葉は相手の心の内部へ静かに入って、
入ってから爆発を遂げた方がよいのである。」
最近の国会で続く野党若手の代表質問の大げさな物言いや汚い言
動の罵倒に対する批判として引用された清水幾太郎の名著「論文
の書き方」の一節です。言葉は慎ましいものにかぎる、人を見く
びるなかれとの論説が載っていました。
まさにこの一節は作品にもぴたりと当てはまると思ったのです。
新しいもの、奇異を狙ったもの、見かけの派手なものは特にマス
コミは飛びつきやすいけれど、ただただそれだけでは何も残りま
せん。作品は相手の心の内部に静かに入って、入ってから爆発を
遂げ、記憶に残るものでなければならないのです。
しかし、言葉と違って絵画は瞬時性が強いので、イメージと言葉が絡み
合う前段階の最初のインパクトは当然必要になることは言うまでもあり
ません。
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