アート界その多面体

冬の空、晴れた日に。
冬の空、晴れた日に。

 

アート界を少し離れた所から見てみると、複雑な力学を

持つ多面体のように感じます。

 

アーチィストは作品の制作において、とことん内面を掘

り下げおよそ金銭とは関係ないところで、哲学的思考と

直感に従い孤独の中、作品との格闘に専念します。

 

それとは正反対の場所にオークションがあります。きら

びやかな服を身にまとったお金持ちにより億単位のお金

が飛び交い、芸術的解釈と投機目的も絡み合う独特な雰

囲気のショーが繰り広げられています。

 

またアートフェアでは作品という商品がディーラー達に

よってコレクター達との駆け引きにより所蔵されること

になります。一番有名なバーゼルにおいてはコレクター

が世界各地からプライベイトジェットで買い付けに訪れ、

超一流のディーラー達は最高級ホテルのスイートに泊ま

ると言われいます。

 

また、アート界のオリンピックとも呼ばれるベニスビエ

ンナーレは2年ごとに開催され、世界各国所有のパビリ

オン(お金のない国は持っていないところも多い。)で

展覧会を競い合います。といっても国が絡む事もあり、

非常に政治的駆け引きが強く、観光の要素も入ってくる

一大イベントではありますが、はなからその存在を否定

する人もいたりします。

 

アート界はアーティスト、キュレーター、ディーラー、

オークションハウス、コレクター、批評家、編集者、な

ど複合体として複雑に絡み合う多面体と言えるでしょう。

 

そもそも創造というものはそれ自体がある意味反権力で

あり、今まで構築され組み込まれたものに対して異議を

唱える反社会的なものなのです。人々は度肝を抜かれる

表現を欲しているのです。しかし、それを受け入れる受

け皿としてお金や権力と結びつかなければ創造そのもの

が広がらないという矛盾を抱え込むことになるわけです。

 

しかし思うのは、たかだか一人のアーティストの創った

作品が億単位の額になってしまったり、逆説的で決して

単純でないこんな世界に失望するかといえばそんなこと

はありません。

 

逆にこの複雑な多面体はなんとも面白いと感じています。

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    アラジン (日曜日, 06 2月 2011 09:28)

    アート界が多面体って面白い味方ですね。勉強になりました。

  • #2

    丸田 (日曜日, 06 2月 2011 23:29)

    読んでいただいてありがとうございます〜。