2011年
10月
31日
月
いい作品とは
決して短いとは言えない年月作品を制作してきて言えることは
注目する作品というのは少なからず両極の要素を含んでいると
いう事です。
それがあからさまに見えない場合でもよく見ているとそれがひ
たひたと漂ってきて心を鷲づかみにすることがあります。ただ
ただ静かな本当におだやかな作品であってもそれを徹底的に追
求されたものであれば見事な強靭さが画面に立ち現れてきます。
わかりやすいところでは重い素材を扱っていても軽さを感じる
とか、無邪気で明るい中に毒が絡め込まれているとか、あるい
は生でもない死でもない混在した状態であったり、聖と俗、光
と闇などなど、、、沢山上げることができます。
それをどのように織り込めるかは作家の力ということになるの
でしょうか。
さて私の制作においてはどうかというと思い描くのはこんな感
じになるかもしれません。
「どこまでもどこまでも透明なでも密度のしっかりした強さが
ありながらたおやかさを合わせもち、ものすごい早さで力強く
動くその喧噪と同時に穏やかな広がりと静寂さの中にいる。」
このような両極の要素に反応するのは私達の取り巻く環境が自
然がそういう要素で成り立っていて当然私達自身もそういう成
り立ちのもと心の奥深くでそれに呼応するのだと思います。
一番身近な精神と物質(体)の関係すなわち毎日ものすごいス
ピードでその対話がなされているその関係を見れば当然である
と納得せざるを得ない気がします。