2011年
2月
25日
金
創造
小学校の頃、何年生の時が忘れましたが書き初めでわけもわから
ず「創造」と書いたのを覚えています。考えてみれば、いや考え
るまでもなく「創造」とはもっとも人間らしい行為の一つであり
大切なものなのではないでしょうか。
体中の隅々に力が満ち、真っすぐ重心が下にストンと落ちた時、
身体を通して創造という新しい世界が展開を始めます。時間も空
間も飛び越えその一瞬一瞬にすべてのエネルギーが集中します。
やはり創造とは崇高であり神聖なもの、そしてだれでもが持って
いる能力であり、表現という強じんなパワーを発揮することので
きるすばらしいものであると感じます。
例えばの話、政治の世界何かを変えなくてはいけない状況に陥っ
た時大勢の人が法律や仕組みを躍起になってこねくり回すよりも、
遥かに表現の力は根こそぎひっくり返すほどのパワーを持つもの
として認識していいのではないかと思っています。現在から未来
につなげるそれだけの力があると思います。そう信じたいです。
創造という表現の威力を見くびるなかれです。
あるコレクターの方が前こんなことを言っていたのが印象的でし
た。「どれほど作品から勇気をもらったかわからない」と。
表現者としてどこまでどれほどのものができるのかわかりません
が、いつも新たな気持ちで作品に向かいたいと思っています。
2011年
2月
05日
土
アート界その多面体
アート界を少し離れた所から見てみると、複雑な力学を
持つ多面体のように感じます。
アーチィストは作品の制作において、とことん内面を掘
り下げおよそ金銭とは関係ないところで、哲学的思考と
直感に従い孤独の中、作品との格闘に専念します。
それとは正反対の場所にオークションがあります。きら
びやかな服を身にまとったお金持ちにより億単位のお金
が飛び交い、芸術的解釈と投機目的も絡み合う独特な雰
囲気のショーが繰り広げられています。
またアートフェアでは作品という商品がディーラー達に
よってコレクター達との駆け引きにより所蔵されること
になります。一番有名なバーゼルにおいてはコレクター
が世界各地からプライベイトジェットで買い付けに訪れ、
超一流のディーラー達は最高級ホテルのスイートに泊ま
ると言われいます。
また、アート界のオリンピックとも呼ばれるベニスビエ
ンナーレは2年ごとに開催され、世界各国所有のパビリ
オン(お金のない国は持っていないところも多い。)で
展覧会を競い合います。といっても国が絡む事もあり、
非常に政治的駆け引きが強く、観光の要素も入ってくる
一大イベントではありますが、はなからその存在を否定
する人もいたりします。
アート界はアーティスト、キュレーター、ディーラー、
オークションハウス、コレクター、批評家、編集者、な
ど複合体として複雑に絡み合う多面体と言えるでしょう。
そもそも創造というものはそれ自体がある意味反権力で
あり、今まで構築され組み込まれたものに対して異議を
唱える反社会的なものなのです。人々は度肝を抜かれる
表現を欲しているのです。しかし、それを受け入れる受
け皿としてお金や権力と結びつかなければ創造そのもの
が広がらないという矛盾を抱え込むことになるわけです。
しかし思うのは、たかだか一人のアーティストの創った
作品が億単位の額になってしまったり、逆説的で決して
単純でないこんな世界に失望するかといえばそんなこと
はありません。
逆にこの複雑な多面体はなんとも面白いと感じています。
2011年
1月
24日
月
人類にYES
今年もまたインフルエンザが流行ってきましたが、お腹にくる
風邪、ノロウイルス、そしてインフルエンザと季節によりもの
のみごとに当番医にはその患者さん達が殺到します。
人は皆それぞれ外見が異なり個性があり違う感性と思考を持っ
ています。そして自立した個人でありお互い尊重し合わなけれ
ばいけない存在であるという強固な思いがあったのですが、最
近富みに思うのはこんな事です。「こんなにも人って似通って
いて一緒なんだー」と。
人間の体の仕組みはほどんど皆一緒でそのように組み込まれて
生まれてきており、ウイルスや細菌の攻撃にも同じように反応
してしまう同じ作用機序を持つホモサピエンスという同一種な
のです。そんな事を考えると何ともいとおしく包んであげたく
なるような人間という存在への思いがぐんと強く大きくなった
のです。
特にインフルエンザなどが流行ったりすると、人の異質性、別
人格、多様性ということよりも肉体的同類性、一緒であるとい
う思いに大きく振り子が動き、そして人類そのものの存在に
「肯定」と大声で言って温かく見守りたくなります。
まさに人類に「YES」。
2011年
1月
02日
日
あけましておめでとうございます。水は不思議だらけ2
いよいよ新しい年の始まりですね。今年もどうぞよろしくお願い致します!
さて、「水は不思議だらけ」の項目で質問もあったのでちょっと付け加えたいと思います。
他にも不思議な液体はいっぱいあるでしょうということですが、水はありふれた物質ではあり
ません。個体の密度が液体より小さいのは水だけと言われています。
そしてその異常性は他にも液体としての密度は4度cで最大、元素の周期表の中の同族の仲間の
中で沸点、融点が異常に高く、比熱が非常に大きいので水は温まりにくく、冷めにくい液体で
す。同族であれば同じような性質になるのが普通ですが、水は場合まったく異なるのです。
その異常性の謎は水は小さな分子であるにもかかわらず大きな分子間力を持つと言われていて
それが水素結合なのだそうです。その水素結合によって大きな熱エネルギーを要するため融点
沸点も高くなるわけです。
そして水は集団行動をしているそうです。水素結合が水分子同士を結びつけているようです。
水素結合は切断と結合を繰り返していて、おもしろいことに水は巨大な動的な関係を持ちなが
ら運動(行動)しているそうです。人間社会のように。
たまたま水が周りにあったということは大変なことでもしこの水の異常性がなければこの自然
環境はまったく違うものになってしまいますし、私達も生存不可能です。我々の体もほどんど
水のかたまりみたいなもので、その奇跡のような異常性によって生かされているのです。
これほど人類にとって必要不可欠なものが不思議物質であるというのが驚きです。